御幣とは
神棚の前に立てるお供え物の一種です。昔は麻を使ってお祓いをしていました。
麻は和紙の原料となります。そこから同じく和紙の原料となる楮(こうぞ)も神聖なものと扱われるようになりました。
さらに昔は紙が貴重品だったこともあり、神様にお供えするのに相応しい、神聖で貴重な供え物として現在まで伝わってきました。
御幣は神棚の前に立てます。写真は三本立て(小使用)
御幣の種類
御幣のあげ方は家庭により様々です。ここでは基本的な例をいくつかご紹介します。
○本数
三本立て、五本立てあたりの本数をあげている家庭がほとんどです。
他にも大きい神棚をお祀りしている家庭では、もっと多い本数もあります。まれに一本串を左右対にしてあげている場合もあります。
○大きさ
諏訪神社の御幣には大小の種類があります。
串の長さをみていただいて、「30cmより長ければ大、短ければ小」を選んでいただければ適当です。
30cmの長さの串に付けた御幣(大使用)
どっちが表?
御幣串の上部には「こより」を結んでいますが、その結び目が見える方が表です。
表を見えるようにあげてください。
家の各所に貼るお神札(組札『くみふだ』)
屋敷の神様のお神札や玄関に貼るお神札など様々あります。
屋船のお神札
お納めする場所:神棚の中
屋敷の神様のお神札です。神棚の中、一番奥にお納めします。
戸のお神札(下に「戸」と書かれたお神札)
貼る場所:主に玄関、勝手口。
部屋、車庫、納屋、物置、作業場などにも
玄関や勝手口など、出入り口に貼るお神札です。基本は二枚つきます。
玄関に貼る場合は、お神札の表を玄関から外側が見えるように貼ります
玄関から侵入する悪いものをお神札が追い返せるよう、
常に外を見張っていてもらう為にと考えてください。
火のお神札(下に「火」と書かれたお神札)
貼る場所:ボイラー室
家中の火を取り扱う場所に貼るお神札です。
家の中に貼る御幣(剣祓『けんばらい』)も一緒に貼ります。
水のお神札(下に「水」と書かれたお神札)
貼る場所:台所、流し、井戸
家の水を扱う場所に貼るお神札です。
家の中に貼る御幣(剣祓)も一緒に貼ります。
倉のお神札(下に「倉」と書かれたお神札)
貼る場所:倉庫、倉、蔵、店
倉や店舗など、製品や荷物などをしまう場所に貼ります
家の中に貼る御幣(剣祓)も一緒に貼ります。
馬屋のお神札(下に「馬」と書かれたお神札)
貼る場所:馬屋、食料庫
一見、馬とは関係がなさそうなお神札ですが、
食物の神(保食神『うけもちのかみ』)が、死んだときに 牛馬になったという由来があります。
家の中に貼る御幣(剣祓)も一緒に貼ります。
東西南北のお神札(下に「東」「西」「南」「北」と書かれたお神札)
貼る場所:家のそれぞれの方角に面した場所
木の神様、食物の神様のお神札です。
他にも山の神様のお神札や船魂のお神札など、いろいろあります。
必要に応じて神社から受け、取り替えましょう。
御幣はいつ、どうやって取り替えればいいの?
神棚のお神札や御幣は、新年を迎える前、つまり12月中に取り替えるのが良いです。神棚のお神札と御幣は一緒に取り替える方がほとんどです。諏訪神社では、12月1日から来年用の新しいお神札を準備していますのでお早めにどうぞ。
御幣は神社に御幣台ごと持ってきていただければ、一日お預かりをして新しい御幣と付け替えてお返ししています。出来上がった御幣を持ち帰るときに折り曲がらないように、大きめの風呂敷などに包んでくれば便利かと思います。
御幣の電話注文はできるの?
電話注文もお受けしています。こちらも注文翌日のできあがりになります。
お伺いする内容は、「神棚の御幣の大きさ、串の本数」「神棚のお神札の必要の有無」「家の中に貼るお神札、御幣の種類と枚数」です。上記のお神札の説明をみて、どれが何枚必要かを把握していただれば間違いが無いでしょう。
御幣って必要なの?今までおいてなかったんだけど
いいえ、必ず必要ではありません。ただあった方が良いのは言うまでもありません。ずっと御幣をあげていたご家庭でしたら、このまま続けていただいた方が良いですし、引っ越しを機にやめるご家庭もいます。差し支えはありません。新しく御幣を立てる場合は、神具店などで御幣台をお求めください。
家の中に貼るお神札(組札『くみふだ』)は必要なの?
以前から貼っているご家庭は続けていただければ良いと思います。
が、「年々貼る箇所が多くなって減らしたい」という方もいます。その様な方にはご相談の上、適度な枚数に整理したケースもあります。また、御幣の場合と同じく、引っ越しを機にやめるご家庭もいます。上記の説明をみて、適切なお神札をお求めください。
家の中に貼るお神札(組札)を増やすことはできる?
できます。
例えば「戸のお神札5枚と水のお神札2枚、火のお神札1枚」などもご用意できます。家の中に貼る御幣(剣祓)も増やせます。しかし、組札の基本の組合せ(戸2枚、火・水1枚ずつ)以下には出来ません。
御幣はいくらくらいかかるの?
基本の組合せ(神棚の御幣、屋船札、戸札2枚、火札、水札、剣祓2枚)で1,200円です。そして神棚のお神札(天照様、氏神札)が1,800円ですので、合わせて3,000円になるのが一般的です。しかしご家庭によって御幣の組合せ内容は違いますので、基本の組合せとは違う方はその都度お問い合わせください。
年末に取り替えにきているのだけど、あの混雑どうにかならないの?
みなさん年末の、なるべくギリギリに取り替えたいということか、24日位からとても混み合います。「ギリギリに取り替えないと駄目だと思っていた」などの声も聞こえますが、12月になれば取り替えて良いですので、混雑を避けたいのならば、20日頃までに来られるのがよろしいと思います。
今年、家族が亡くなったのだけど、御幣は取り替えていいの?
ご家族の方で不幸があった場合、神道では50日間「忌中」になると考えてください。それを過ぎましたら「忌明け」になりますので、お神札、御幣の取り替えなども例年通りおこなってください。忌中の時は無理に取り替えはせず、忌明けしてからお取り替えください。
その他ご不明な点などありましたら、お気軽に神社へお問い合わせください。